2008年7月10日(木)15:13

サルコジEU議長はEUの停滞に警告

ストラスブール(AFP)

フランスのニコラ・サルコジ大統領は、アイルランドのリスボン条約否決後のEU危機を踏まえ、EUの停滞に警鐘を鳴らした。EU議長を務めるサルコジ大統領はストラスブールの欧州議会で、「時は私たちに不利に働いている」。EUは数年前から機構改革を待っているのにスムーズに行かない、と語った。欧州議会の議員団の大半はサルコジ大統領に対し、年末までのEU議長任期中の支持を約束した。

サルコジ大統領は、7月21日にダブリンを訪問し、アイルランド政府とともに打開策を模索するつもりだと発表した。私は年末までに機構制度の危機の解決案を提案する。10月または12月に。目標はリスボン条約を2009年半ばの欧州議会選挙に間に合うように成立させることだ。しかし「新たな政府協議や条約交渉のやり直しは行わない」、と大統領は語った。

サルコジ大統領は欧州議会の本会議場における3時間以上に及ぶ演説の中で、ポーランドのレフ・カチンスキ大統領に対してリスボン条約の批准文書に署名するよう繰り返し呼びかけた。カチンスキ大統領はともに条約の交渉を行い、条約に調印し、それによりEUに対して約束を行ったのだ、とサルコジ大統領は語った。

併せてサルコジ大統領は、リスボン条約が発効しない限り新規加盟国の受け入れに反対する姿勢を強調した。「現行のニース条約に留まるならEUは27ヶ国のままだ」。演説は議員の拍手でたびたび中断された。サルコジ大統領は統合速度の異なるEUには反対の姿勢を表明した。これは「最後の解決策」に留めねばならないと大統領は述べた。

サルコジ大統領はフランスのEU議長国任期中の最優先課題として、気候変動に対する取り組みを挙げた。年末までにはエネルギー・環境法案を取りまとめる。その際すべてのEU加盟国が共同歩調を取らねばならず、個々の点で再交渉を要求したりしてはならない、と大統領は釘を刺した。

欧州議会社会民主党のマルティーン・シュルツ(ドイツ社会民主党SPD)議員団長はEU議長国フランスに対して、社会的欧州に向けた具体的提案を発表するよう求めた。社会的な国家が保証されなければ、人々はEUに背を向けるだろうとシュルツ議員団長は述べた。緑の党のダーニエル・コーンベンディート議員団長は、移民制限に関するフランスの提案を批判した。

原題:EU-Ratsvorsitzender Sarkozy warnt Europa vor Stillstand




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